あの日、西森千明はお客さんと一緒に「琥珀涙」を歌った。過ごしてきた時間や見てきた景色が異なるひとりひとりが、まわりの声を聴き、一つの音を歌う姿は、祈りのようだった。人は独りだからこそ、他者がかけがえのない存在になり、あなたもかけがえのない存在だから、響きあうことができる。
“一緒”とは、長く続く物事のつながりの一点を共にすることであり、一つのきっかけからつぎつぎと引き出される思いを共有することだ。
西森千明の歌が、ひとりひとりがこれまでに流してきた涙を受け入れ、ひとりひとりの言葉にならない想いが、ひとつの歌となって、解き放たれていった。
(西森千明”「琥珀涙」with special chorus” 2015.4.12 演奏会 ‘かけがえのないなかで’ より)
2016年4月、西森千明は再び旧田山小学校で演奏会を開く。歌は続いている。あの日からも、もっと昔のどの日からも。彼女は耳を澄まし、満ちる気配に新たな息を吹き込むように、歌うだろう。それは未来への祈りでもある。過去への微笑みで、あなたへのささやきでもある。
ひとりひとりが響きあうことは、ひとりひとりと抱きしめあうことに似ている。
むすばれて、ひらかれていく。「いま」に息を吹き込んでいくのは、わたしたちである。
(文:熊谷充紘)
live information
日時
2016年4月24日(日)
12時:開場 ランチ&散策
14時:開演
16時45分:終演
会場
旧田山小学校・教室(京都府相楽郡南山城村田山中シヨジ)
※京都高山郵便局 向かい
アクセス
JR月ケ瀬口駅より徒歩50分程度。自然豊かで気持ちのいい道のりですが、夜はかなり暗くなるので、お車でのお越しをお奨めします。電車しか交通手段がない方は、予約時にご相談ください。
出演
西森千明
田辺玄
料金
4000円(FOOD WORKER FUNAKIのランチ&ドリンク付き)
ご予約・お問い合わせ
下記アドレスに必要事項を明記の上、メールをお送りください。
ignition.gallery@gmail.com
件名「結いの息吹」
1. お名前・ふりがな
2. 当日連絡がとれるご連絡先
3. ご予約人数
プロフィール
西森千明:
2014年3月、2ndフルアルバム「かけがえのない」を発表。
田辺玄(WATER WATER CAMEL)を録音・ミックス・マスタリングにむかえ、今公演の会場である、京都府南山城村・旧田山小学校の教室で録音された。
古い木造の校舎という懐かしく開けた空間。聴こえてくる鳥の声、樹々の揺れ、床のきしみ。近くから遠くまで、さまざまに響き漂う音に、
柔らかくも芯の通ったピアノの旋律と、木管楽器のような歌声が溶けていく。
風景や時間の移り変わりと同じように、悠々と奏でられた音楽。
いわゆるピアノの弾き語りとは一線を画し、
その場の空気に溶け込むたおやかで自由な演奏と、
言葉のベールをまとった声音で、色とりどりの風景を描いていく。
「そこに居るだけで心が開いていく、まさに自然の豊かさそのものの音楽」
と賞賛を受ける。
どこか遠くで響いているかにも聴こえる歌声とピアノの音色が、
風や光のように自然と空間にふりそそぎ、
聴く人ひとりひとりの記憶や見てきた景色へいざなう。
目を閉じて、思いを馳せるうちに、感情や五感が解き放たれ、心もからだも一緒になって聴くことができる、根源的な音楽を紡ぐ音楽家である。
田辺玄:
好きな音は遠くで聴こえる生活音。
WATER WATER CAMELのひとり。
全国各地を飛び回りながら、カフェやギャラリー、お寺や廃校、植物園やプラネタリウムなど、多様なスペースで音を響かせている。またギタリストやレコーディングエンジニアとしての活動、CM、WEB、展示空間のサウンドデザイン等、音を媒体にさまざまな人や場とのコラボレーションを展開している。
http://genwwc.blogspot.jp/
FOOD WORKER FUNAKI
それぞれが感じる”美味しさ”の『時間』や『場所』や『状況』。
またそれを『誰か』と分かち合うのか、『一人』なのか。
自宅のテーブルや公園のベンチ。
日々の日常の暮らし中に、ちょっとだけの非日常。
その時に必要な【食】する【事】に関係する物を
提案・提供する“場”のアトリエキッチン。
詳細
出演者情報など、詳しくは下記もぜひご覧下さい。
http://ignitiongallery.tumblr.com/post/140384216752/西森千明結いの息吹
staff
写真:シノハラトモユキ
音響:甲田徹
装飾協力:ka-ji-
お食事:FOOD WORKER FUNAKI
映像・デザイン:梅田唯史
企画協力:熊谷充紘 (ignition gallery)